DB2 Version 9.7 for Linux, UNIX, and Windows
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同一のコンピューターでの複数の DB2 コピー (Windows)

同一コンピューターで複数の DB2® コピーを使用できます。各 DB2 のコピーは、同じコード・レベルでも、異なるコード・レベルでもかまいません。このことには、以下のような利点があります。

1 つの DB2 コピーには、1 つ以上の異なる DB2 製品を含めることができます。これは、同じロケーションにインストールされた DB2 製品のグループのことです。

DB2 コピーを 1 つだけインストールする場合の考慮点

同じコンピューターに複数の DB2 コピーをインストールした場合の考慮点

Microsoft® COM+ アプリケーションでは一度に 1 つの Data Server Runtime Client しか使用できないため、COM+ アプリケーションでは IBM Data Server Runtime Client の代わりに、IBM Data Server Driver Package (インストーラー) または IBM Data Server Driver for ODBC and CLI (zip) をアプリケーションとともに使用および配布することをお勧めします。IBM Data Server Driver Package (インストーラー) または IBM Data Server Driver for ODBC and CLI (zip) には、この制限がありません。DB2 データ・ソースにアクセスする Microsoft COM+ アプリケーションは、デフォルトの DB2 コピーでのみサポートされます。別の DB2 コピーにアクセスする COM+ アプリケーションの並行サポートは、サポートされません。DB2 Universal Database (UDB) バージョン 8 がインストールされている場合、これらのアプリケーションの実行には DB2 UDB バージョン 8 しか使用できません。DB2 バージョン 9 以上がインストールされている場合、デフォルトの DB2 コピーを、「デフォルト DB2 コピー選択 (Default DB2 Copy Selection)」ウィザードを使用して変更できますが、それらを並行して使用することはできません。

新規 DB2 コピーのインストール時のデフォルトの選択

システム環境には DB2 コピーがいくつかあり、その 1 つがデフォルト DB2 コピーです。

バージョン 9.1 では、複数の DB2 コピーをインストールするシナリオが可能です。(この例では、DB2COPY1、DB2COPY2、そして DB2COPYn まで。) DB2 コピーの 1 つをデフォルト DB2 コピーとして選択します。ここでは、DB2COPY1 がデフォルト DB2 コピーとして選択されています。

バージョン 9.5 からは、1 つの DB2 コピー (DB2COPY1) をインストールするシナリオをイメージしてください。このコピーは、デフォルト DB2 コピーであるとともにデフォルト IBM データベース・クライアント・インターフェース・コピーでもあります。

新規 DB2 コピーをインストールしている場合に、新規 DB2 コピーをデフォルト DB2 コピーにしないことに決めた場合。

次に、新規 DB2 コピー (DB2COPY2) 内の DB2 製品をインストールします。新規 DB2 コピー (DB2COPY2) のインストール中に、新規 DB2 コピーをデフォルト DB2 コピーにするかどうかを確認されます。「いいえ」と応答した場合は、DB2COPY1 が引き続きデフォルト DB2 コピーです。(これは、デフォルト IBM データベース・クライアント・インターフェース・コピーでもあります。)

一方、同じシナリオですが、新規 DB2 コピーをデフォルト DB2 コピーにするかどうかを確認された際に「はい」と応答した場合を考えてみます。

新規 DB2 コピーをインストールしている場合に、新規 DB2 コピーをデフォルト DB2 コピーにすることに決めた場合。

この場合、DB2COPY2 が新規デフォルト DB2 コピー (およびデフォルト IBM データベース・クライアント・インターフェース・コピー) になります。

バージョン 8 との共存
DB2 バージョン 8 と DB2 バージョン 9 は、DB2 バージョン 8 がデフォルト DB2 コピーとして設定されるという制約事項はあるものの、共存できます。DB2 バージョン 8 をデフォルト DB2 コピーにしない場合は、DB2 コピーを DB2 バージョン 9 に更新してから、デフォルト DB2 コピーを変更できます。

サーバー上に存在できる DAS バージョンは 1 つだけであり、それはインスタンスを以下のように管理します。

バージョン 8 とバージョン 9 の共存および DB2 .NET Data Provider
DB2 バージョン 9 では、DB2 .NET Data Provider には System.Transaction サポートがあります。ただし、これはデフォルトの DB2 コピーにのみ使用可能であるため、共存環境ではサポートされません。 バージョン 8 がインストールされている場合、Global Assembly Cache で登録される 1.1 .NET Data Provider はバージョン 8 からのものとなります。登録される 2.0 Provider はバージョン 9 からのものとなります。2.0 Provider は、1.1 Provider、OLE DB、または ODBC を使用して DB2 に接続するのと同じプロセスでは、使用できません。
サービスとして実行するサード・パーティー・アプリケーション
デフォルトでは、例えば db2api.lib にリンクされているような、DB2 DLL を動的にバインドするサード・パーティー・アプリケーションは、現行の PATH 上で DB2 DLL を検出します。つまり、複数バージョン・サポートが可能ではない既存のアプリケーションは、デフォルト DB2 コピーを使用します。この問題を回避するために、アプリケーションは、DB2 ライブラリーのロード前に db2SelectDB2Copy API を使用できます。詳しくは、コール・レベル・インターフェース ガイドおよびリファレンス 第 1 巻 を参照してください。
Win x64 での 32 ビットおよび 64 ビット・バージョン
DB2 は、Windows® 上で、32 ビットと 64 ビット・バージョンの共存はサポートしていません。DB2 64 ビット・バージョンをインストールすると、32 ビット・バージョンはシステムから除去されます。DB2 32 ビットと 64 ビットのレジストリーは、別のロケーションにあるためです。
LDAP および CLI 構成
DB2 バージョン 8 では、アプリケーションが別の LDAP 設定を必要とする場合、異なる LDAP ユーザーを使用する必要があります。そのようにしないと、CLI 構成は LDAP ユーザーが使用する可能性があるすべての DB2 コピーに影響を及ぼします。
パフォーマンス・カウンター
パフォーマンス・カウンターは一度に 1 つの DB2 コピーに対してのみ登録でき、登録された DB2 コピー内のインスタンスのみをモニターできます。デフォルト DB2 コピーを切り替えると、デフォルト DB2 コピーに対してパフォーマンス・カウンターをアクティブにするために、DB2 選択ウィザードはパフォーマンス・カウンターを登録解除してから再登録します。
Windows Management Instrumentation (WMI)
登録できる WMI プロバイダーは一時点で 1 つのバージョンだけです。
クライアント接続
同じプロセス内で使用できる DB2 コピーは 1 つだけです。
DB2 DLL に動的にリンクするアプリケーション
DB2 DLL に直接リンクしているか、LOAD_WITH_ALTERED_SEARCH_PATH パラメーターを指定して LoadLibraryEx を使用する代わりに LoadLibrary を使用するアプリケーションでは、初期従属ライブラリーが適切にロードされるようにする必要があります。独自にコーディングするか、アプリケーションを実行する前に db2envar.bat ファイルを呼び出して環境を設定するか、あるいはアプリケーションに静的にリンクできる db2SelectDB2Copy API を呼び出すことができます。

Visual Studio 2003 プラグイン

デフォルトの DB2 コピーがバージョン 9.5、バージョン 9.1、またはバージョン 8 のコピーの場合、 同時に同じコンピューター上に登録できるプラグインのバージョンは 1 つだけです。アクティブなプラグインのバージョンは、デフォルト DB2 コピーとともに出荷されているバージョンです。

ライセンス交付

各 DB2 コピーごとに、ライセンスを登録する必要があります。ライセンスは、システム規模ではありません。これにより異なるパスに異なるライセンスを使用でき、同じマシン上にある製品の DB2 コピーの制限付きバージョンと DB2 コピーの完全バージョンの両方に対する機能が提供されます。

NT サービス

DB2 NT サービスは <servicename_installationname> という名前を使用します。例えば、DB2NETSECSERVER_MYCOPY1 です。また表示名にもコピー名が含まれますが、これは括弧で囲み、付け加えられて、例えば DB2 Security Server (MYCOPY1) のようになります。インスタンスには、表示名中で DB2-<DB2 Copy Name>-<Instance Name>-<Node Number> も付記されます。これは、「サービス コントロール パネル」のアプレットに表示されます。実際のサービス名は、そのままです。

使用する DB2 コピーを選択するための API

db2SelectDB2Copy API を使用して、アプリケーションで使用する DB2 コピーを選択できます。この API は DLL を必要としません。ご使用のアプリケーションに静的にリンクされます。DB2 ライブラリーのロードを遅らせて、他の DB2 API を呼び出す前にまずこの API を呼び出すことができます。どんなプロセスに対してもこの関数を複数回呼び出すことはできません。つまり、1 つの DB2 コピーから別のコピーにプロセスを切り替えることはできません。

db2SelectDB2Copy API はアプリケーションで必要な環境を設定して、DB2 コピー名または指定のロケーションを使用します。使用する DB2 コピー用に既に環境がセットアップされている場合には、この API を呼び出す必要はありません。しかし、別の DB2 コピーを使用する必要がある場合、DB2 DLL をロードする前にご使用のプロセスでこの API を呼び出してください。プロセスごとに一度限り、この呼び出しが可能です。

複数の物理ノードでのデータベースのパーティション化

各物理パーティションでは、すべてのコンピューターで同じ DB2 コピー名を使用する必要があります。

MSCS および複数の DB2 コピーの使用

各 DB2 リソースは、別個のリソース・モニターで実行されるように構成する必要があります。

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